ビションフリーゼの真っ白でフワフワな被毛は、まさにこの犬種のチャームポイントです。でも、日本の高温多湿な夏が近づくと、愛犬が暑そうにしているのを見てサマーカットを検討する飼い主さんも多いのではないでしょうか。
その一方で、短く切りすぎて毛が伸びない状態になったらどうしようという不安や、バリカンを使って後悔したという声を耳にして迷ってしまうこともあるかと思います。
この記事では、ビションフリーゼのサマーカットを検討する際に知っておきたい料金の相場やカットの頻度、テディベアカットなどの人気スタイルについて詳しくお伝えします。手入れの負担を減らしつつ、愛犬が夏を健やかに過ごせる方法を一緒に考えていきましょう。

①サマーカットのメリットとデメリット
②失敗しないためのオーダー術
③トリミング料金やカット頻度の目安
④皮膚トラブルを防ぐためのアフターケア
ビションフリーゼのサマーカットの利点とリスク
ビションフリーゼという犬種は、その名の通り「縮れ毛で飾られた犬」という意味を持ち、14世紀頃から地中海沿岸で愛されてきた歴史があるそうです。
この美しい純白のダブルコートは、本来、外気温から身を守る断熱材としての役割を果たしてきましたが、現代の日本の気候においては「熱の籠もり」という課題も引き起こします 。まずは、この独特な被毛構造を理解した上で、カットが与える身体的な影響を掘り下げていきましょう。

✅毛が伸びない後悔を防ぐバリカン脱毛の知識
✅失敗を避けるテディベアやおパンツカットの魅力
✅気になるトリミング料金の相場とカットの頻度
✅アフロスタイルを維持するオーダー方法のコツ
毛が伸びない後悔を防ぐバリカン脱毛の知識

サマーカットを検討する上で、飼い主さんが最も慎重になるべきなのが「毛刈り後脱毛症」のリスクです 。特にバリカンを使用して、1mmや2mmといった極端な短さに被毛を刈り込んだ場合にこの現象が報告されています 。
筆者がトリマーさんとお話しした際も、この脱毛症は原因が完全に解明されていないため、一度発症すると元のフワフワな状態に戻るまで「1年以上」の長い月日を要することがあると聞きました 。
被毛の生理的メカニズムと脱毛のリスク
ビションフリーゼの毛は、上毛(オーバーコート)と下毛(アンダーコート)の二重構造になっています 。この構造は本来、空気の層を作って体温を一定に保つためのものですが、日本の夏のように湿度が高いと、抜けた下毛が皮膚付近で湿気を吸い、「蒸れ」の原因になってしまうのです 。
しかし、安易にバリカンで根元から刈り上げると、毛穴に物理的なダメージが加わったり、皮膚温度の急激な変化がヘアサイクルに影響を及ぼしたりする可能性があるそうです。
失敗しないための長さ選びの基準

「短くしてあげたいけれど、毛が生えなくなるのは怖い」という飼い主さんは、カットの長さにこだわってみてください。地肌が透けて見えるような短さは避け、8mmから10mm以上の長さを残すのが安全圏とされています。
この長さがあれば、最低限の断熱機能を維持しつつ、通気性を大幅に向上させることが可能です 。迷った場合は、バリカンを使用せずにハサミだけで仕上げる「オールシザー」という選択肢もあります。
手間はかかりますが、毛質へのダメージを最小限に抑えたい場合には最適な方法かなと思います 。

画像にもあるようにPelは極端に短くはしないよ。部分にもよるけれど最低15mmくらいは残すかな。オールシーズンカット?
失敗を避けるテディベアやおパンツカットの魅力

ビションフリーゼのサマーカットといえば、以前は全身を短くする「ベリーショートスタイル」が一般的でしたが、最近ではデザイン性を重視したバリエーションが非常に増えています 。愛犬の個性を活かしつつ、機能性も兼ね備えたスタイルを選ぶことで、夏場の生活がもっと楽しくなるはずです 。
テディベアカットと目元の清潔保持
プードルでもおなじみの「テディベアカット」は、ビションフリーゼにも非常によく似合います 。顔周りを丸く分け、体は短めにカットするこのスタイルは、ビション特有のボリューム感を一部に残しつつ、日常生活の利便性を高めてくれます 。
特に夏場は涙やけによる雑菌の繁殖が心配な時期ですが、目元をスッキリさせることで汚れを拭き取りやすくなり、皮膚を清潔に保てるという大きなメリットがあります。
おパンツカットでビションらしさを演出
筆者が特におすすめしたいのが、腰周りから後ろ足にかけて毛を丸く残す「おパンツカット」です 。
体の大部分は短くして通気性を確保しつつ、お尻周りにフワッとしたボリュームを残すことで、歩く姿がとってもキュートになります 。足先だけを短くする「プー足(足バリカン)」と組み合わせれば、お散歩後の汚れも落としやすくなり、家での手入れが格段に楽になりますよ。
スタイルの選択が与える心理的影響
カットスタイルを工夫することは、飼い主さんのモチベーション維持にも繋がります。
「短くして可愛くなくなった」という後悔を避けるために、ビションらしさを象徴する「頭の丸み」や「尻尾のフワフワ感」をどこかに残しておくのがコツです。自分の理想とする仕上がりイメージを明確に持つことが、トリミング後の満足度を左右します 。

私の母はチワワなので、チワワらしさも残したい!(笑)

気になるトリミング料金の相場とカットの頻度

ビションフリーゼのトリミングは、その特殊な被毛の扱いから、小型犬の中でも比較的高額に設定されていることが一般的です 。ここでは、お財布事情とも相談しながら計画を立てるための、具体的な料金相場を見ていきましょう。
| コース名・項目 | 料金目安 (税込) | 主な内容・備考 |
|---|---|---|
| シャンプーコース | 6,000円 〜 8,000円 | 爪切り、耳掃除、肛門腺絞り等を含む |
| サマーカット (バリカン込) | 8,800円 〜 13,000円 | 全身を短く整える標準的な夏スタイル |
| オールシザー仕上げ | 10,000円 〜 15,000円 | ハサミのみで仕上げ。毛質を保護したい方向け |
| 毛玉取り追加料金 | 550円 〜 数千円 | もつれの状態により時間と料金が加算 |
トリミングの所要時間とペース
通常、ビションフリーゼのカットには2時間から3.5時間ほどの時間がかかります 。毛玉が多い場合はさらに時間が伸び、ワンちゃんの体力的な負担も大きくなるため、無理のない予約管理が大切です。
理想的な通院ペースは「3週間から1ヶ月に1回」です。夏場は特に、少し毛が伸びるだけで内側に熱が籠もりやすくなるため、定期的にプロの手で通気性を整えてもらうことが皮膚トラブル予防の鍵となります 。
コストを抑えつつ質を維持するコツ
料金を抑えるためには、次回の予約をその場で入れる「早割」を利用したり、シャンプーのみの中間コースを取り入れたりするのも一つの手です。
ただし、セルフカットで全体を整えようとすると、毛並みがバラバラになり、結局プロに修正してもらうことで余計な費用がかかることもあるので注意してくださいね。プロの技術は、単に長さを切るだけでなく、皮膚の状態をチェックしてくれる貴重な機会でもあります。

筆者の住んでいる地域には、中央動物専門学校がありトリミングモデルを募集しているよ!料金はサロンよりリーズナブル。もしよかったら問い合わせてみてね。
アフロスタイルを維持するオーダー方法のコツ

ビションフリーゼのアイコンとも言える「アフロスタイル(まんまるカット)」を維持しつつ、体だけを涼しくしたい。そんなわがままな願いを叶えるには、トリマーさんへの的確な指示が欠かせません。
ビジュアルイメージの共有が最優先
言葉だけで「短くしてください」と伝えると、トリマーさんの主観で想像以上に短くされてしまうことがあります 。失敗を防ぐためには、必ずスマートフォンなどで理想のスタイル写真を持参しましょう。
筆者の経験上、愛犬の毛質に近い子の写真を見せるのが一番確実です。また、散歩コースに草むらが多いなら足元を短くするなど、ライフスタイルに合わせた提案をしてもらうのも良いですね。

私のお世話になっているトリマーさんの所には、犬種別の色々なスタイルや毛の長さの写真があり、こんな感じにして欲しいと希望を伝えやすいよ!あと、ライフスタイルも伝えてね。
具体的な数値と部位別の要望
「地肌が見えない程度の8ミリで」や「お腹周りはスッキリ3ミリで」など、具体的な長さを指定するのが理想的です。また、「頭のサイズは今の8割くらいに小さくして、丸みは残したい」「尻尾はライオンのように先だけ残したい」など、部位ごとのこだわりを明確に伝えましょう 。
筆者の経験では、この「こだわり」を細かく伝えれば伝えるほど、トリマーさんも飼い主さんの好みを把握しやすくなり、満足度の高い仕上がりに近づきます。
オーダー時のチェックリスト
- 希望する仕上がりの写真を用意したか
- バリカンを使う場所とハサミで残す場所を分けたか
- 普段のお散歩環境(草むらが多いなど)を伝えたか
- 自宅でのブラッシング頻度を共有したか

私はお転婆で活動量く公園の草むらが大好き。ショートカットだから、お散歩のときは枯草や枝などで、毛の少ないお腹が傷つかないようなオシャレなウェアを着ているよ!ジェラピケとか、アウトドアメーカーのモンベルで扱っているウェアなどだよ。
ビションフリーゼのサマーカット後の被毛管理

サマーカットを施した後は、愛犬の手入れが楽になると思われがちですが、実はここからが飼い主さんの腕の見せ所です。
被毛という「天然の防護壁」を薄くした分、外部の刺激から皮膚を守るケアが不可欠になります 。ここでは、カット後の新しい生活習慣について詳しく見ていきましょう。
✅自宅でのセルフケアに欠かせないブラシと道具
✅紫外線や皮膚の乾燥から愛犬を守る保湿ケア
✅子犬や老犬の健康を維持するための環境作り
✅サマーカットとは皮膚を守るケアが始まるということ!
✅ビションフリーゼのサマーカット:まとめ
自宅でのセルフケアに欠かせないブラシと道具

毛を短くしても、ビションフリーゼ特有の縮れ毛は毎日少しずつ絡まり、目に見えない毛玉を形成します 。サマーカットの状態でも、摩擦や動きによって毛先がもつれやすいため、定期的なブラッシングを怠ることはできません。
適切なブラッシングの頻度と方法
理想は毎日、少なくとも「2日に1回」は全身をチェックしてあげてください。毛が短いからといって力を入れすぎると、皮膚を傷つけてしまう恐れがあります。
特にバリカンを入れた後の皮膚は非常に敏感になっているため、優しく撫でるようにブラシを当てるのがコツです。脇の下や耳の裏など、毛が溜まりやすい場所は指先で触れて、しこりやもつれがないか確認する習慣をつけましょう。
厳選すべきお手入れ道具
筆者が長年愛用しているのは、クッション性の高い「スリッカーブラシ」と、仕上げ用の「コーム(櫛)」です。質の良い道具を使うことは、愛犬のストレスを減らすだけでなく、飼い主さんの作業効率も大幅にアップさせてくれます。
また、散歩から帰った後に足裏の汚れをサッと落とせる専用のウェットティッシュや、肉球を保護するバームも夏場には重宝しますよ。
セルフカットの注意点として、ハサミを使用する場合は必ず「スキバサミ」を選んでくださいね。パッツンと切ってしまうのを防ぎ、自然な仕上がりになります。ただし、怪我のリスクを避けるため、動く場所や顔周りは無理をせずプロに任せるのが一番です。

お散歩のあとは丁寧にブラッシングしてもらってます。毛玉のケアもあるけれど、語りかけながらのブラッシングはスキンシップとコミュニケーションの手段。私にとって、とてもとてもハッピーで嬉しい時間だよ!
紫外線や皮膚の乾燥から愛犬を守る保湿ケア

犬の皮膚は人間の約3分の1程度の厚さしかなく、非常にデリケートです 。サマーカットで被毛が短くなると、日光の紫外線が直接皮膚に到達し、日光皮膚炎や熱傷(やけど)を引き起こすリスクが高まるそうです。
UVカットウェアと時間管理の徹底
日中の強い日差しの中で散歩をする際は、通気性の良い接触冷感素材やUVカット機能付きの服を着せてあげてくださいね。これにより、紫外線を遮断し、皮膚へのダメージを大幅に軽減できます。
また、路面温度が上昇する時間帯を避け、早朝や日没後の涼しい時間帯に活動を制限することも、熱中症予防には極めて重要です。犬は地面に近い位置で生活しているため、人間以上に路面からの輻射熱の影響を受けやすいことを忘れないでくださいね。

ごくたまに、夏の暑い時間に散歩させてる飼い主がいるけど、どういうこと!?飼い主失格ですよ!せめて公園の木陰ですよねぇ。
保湿がもたらす皮膚のバリア機能維持
毛が短くなると、皮膚表面の水分が蒸発しやすくなり、乾燥によるフケや痒みが発生しやすくなります。シャンプー後やお出かけ前には、セラミドやヒアルロン酸を含む犬専用の保湿スプレーを使用して、皮膚の潤いを保ってあげてくださいね。
健康な皮膚は外敵からの刺激に強く、皮膚病の予防にも繋がります。筆者も夏場は、特に腹部など毛が薄い部分の保湿を入念に行うようにしています。
※注意点として、人間用の製品は人間が使ってね。ワンちゃんは必ず犬専用のものを選んでください。

赤ちゃん用でも使わないでね。必ず専用のものを使ってね。
子犬や老犬の健康を維持するための環境作り

サマーカットをするかどうか、またどの程度短くするかは、愛犬の年齢や健康状態によって柔軟に変えていく必要があります。
パピー期のファーストトリミング
子犬の場合は、全てのワクチン接種が完了し、免疫が安定するまで待つのが鉄則です。通常はワクチン完了から2週間ほど空けてからサロンの予約を入れます。
初めてのトリミングは、その子の将来的な「トリミングへの印象」を決定づける重要なイベントです。サマーカットにする場合も、あまり時間をかけず、おやつを使いながら「楽しい場所だ」と思ってもらえるように配慮してくださいね。
シニア犬の負担を最小限に
高齢犬にとって、数時間に及ぶトリミングは想像以上の重労働です。シニア期に入ったら、美しさよりも「清潔さ」と「時短」を最優先したシンプルなサマーカットを推奨します。
お尻周りや足回りを短く整えることで、介護が必要になった際も排泄物の処理がしやすくなります 。ただし、高齢になると体温調節機能が低下するため、カット後はエアコンの風が直接当たらないよう、室内環境を整えることが重要です。
もしサマーカット後に、左右対称に毛が抜けたり、地肌が黒ずんできたりした場合は、単なるバリカンの影響ではなく、クッシング症候群などの内分泌疾患が隠れている可能性があります。異常を感じたら、すぐに獣医師の診察を受けてください。

近所に獣医師、トレーナー、トリマーなどプロフェッショナルが揃っているので、何かあれば相談できるようにしています。自己判断は絶対にダメですよ!
サマーカットとは皮膚を守るケアが始まるということ!

最後に、ビションフリーゼの飼いやすさとサマーカットの相性について考えてみましょう。ビションフリーゼは非常に賢く、人懐っこい性格をしており、室内犬として理想的なパートナーです。
抜け毛が非常に少ないという点も、現代の住宅事情において「飼いやすさ」を後押しする大きな魅力となっています。
手入れの時間を愛犬とのコミュニケーションに
サマーカットを上手に取り入れることで、毎日のブラッシングにかかる時間を短縮でき、その分を遊びやコミュニケーションの時間に充てることができます。
手入れが楽になることで飼い主さんの心に余裕が生まれ、結果として愛犬との関係性がより良好になる。これこそが、サマーカットという選択肢がもたらす最大のメリットかもしれませんね。
正しい知識が「飼いやすさ」を支える
しかし、これまで述べてきたように、適切な長さの選定やアフターケアが伴わなければ、かえって愛犬をリスクにさらしてしまうこともあります。ビションフリーゼの「飼いやすさ」は、飼い主さんが被毛の性質を理解し、プロの力を借りながら正しいケアを継続することで初めて成立するものです。
サマーカットを通じて愛犬の健康を管理し、夏の暑さを共に乗り越えていく過程は、飼い主としての成長にも繋がる素晴らしい経験になるはずです。(チョットかっこよすぎるセリフ 笑。)

私のカットは親しいトレーナーさんとトリマーさん2人に相談して決めたんだよ。短すぎず長すぎない。ビションらしくないけど、名付けてオールシーズン・リーズナブル・アクティブカット!一文字ずつ取ってオリアカット!(笑)。
ビションフリーゼのサマーカット:まとめ
この記事で解説したポイントをリストにまとめました。参考にしてください。
- バリカンで極端に短くするとバリカン後脱毛症や毛質の変化を招く恐れがある
- 一度毛質が変わると元の状態に戻るまで1年以上かかる場合もある
- 脱毛のリスクを避けるための安全な長さの目安は8ミリから10ミリ以上である
- 毛質の保護を重視したい場合はバリカンを使わないハサミ仕上げが推奨される
- テディベアカットは顔周りがスッキリするため目元の手入れがしやすくなる
- おパンツカットならビションらしさを残しながら通気性を高めることができる
- バリカンを使用する標準的なサマーカットの料金相場は8800円から13000円程度である
- 夏場は湿気がこもりやすいため3週間から1ヶ月に1回の頻度でケアを行うのが理想的である
- トリマーへのオーダー時は愛犬の毛質に近い子の写真を持参すると失敗が少ない
- 被毛を短くした後は皮膚を保護するためにUVカット服などの着用が欠かせない
- 摩擦による絡まりを防ぐため短い毛であっても2日に1回はブラッシングを行う
- カット後に毛が左右対称に抜ける場合は内分泌系疾患の可能性を疑い獣医師へ相談する
ビションフリーゼとの素敵な夏を過ごすために、この記事で紹介したポイントをぜひ参考にしてみてくださいね。愛犬のキラキラした笑顔を、フワフワな(あるいはスッキリした!)姿と共に大切に守っていきましょう。
※この記事に記載されている料金や数値はあくまで一般的な目安です。正確な情報は各トリミングサロンの公式サイト等を確認し、最終的な判断は信頼できる専門家にご相談ください。
(参照元:一般社団法人 ジャパンケネルクラブ)
(参照元:東京都動物愛護相談センター ワンニャンとうきょう)


一度変質してしまった被毛は、ゴワゴワとした硬い質感になったり、逆に細く薄くなったりすることがあります。特にシニア犬では再生能力が低いため、極端なバリカンカットはより慎重に検討してくださいね。